バス事故:大学生らが事故当時の様子を証言

スピードが出ていてその勢いのままカーブを曲がった

「そこからどうやって外に出たかまで覚えていない。無我夢中」

バス事故:大学生らが事故当時の様子を証言

バス事故:大学生らが事故当時の様子を証言

 長野・軽井沢町で15日未明、スキーバスが崖下に転落した事故で、14人が死亡した。

 事故に遭った大学生らが、事故当時の様子を話した。

 車椅子に乗り、コルセットを巻いた男性は、九死に一生を得た男子大学生。

 バスに乗っていた、東京都内の大学に通う学生(20)は「気づいた時には、そのバスの中が真っ暗で、状況がつかめない状態。

 何とかもがいていたら、バスの外に出ていた。人と足が絡み合って、体が重なっていて、『足どけて』っていう声も聞こえたので、そこを必死にどくようにして。

 そこからどうやって外に出たかまで覚えていない。無我夢中」と話した。

 15日正午すぎ、事故現場では、大きなクレーン車2台によって、バスのつり上げ作業が行われていた。

 周りには、多くの報道陣も集まっていた。

 男性9人、女性5人のあわせて14人が死亡した、長野・軽井沢町で起きたスキーバスの横転事故。

 奪われた命の多くが、10代から20代の若者たちだった。

 ツアー会社「キースツアー」の福田万吉社長は午後3時ごろ、「この度は、当ツアーにおいて、大事故を巻き起こしてしまいまして、ご不安とご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございません」と謝罪した。

 事故からおよそ8時間後の、15日午前10時、規制線が外され、報道陣のカメラはバスの目の前まで行くことが許された。

 木に天井がぶつかって窓枠が飛び出していて、非常に激しい衝撃を感じさせた。

 事故の衝撃からか、突き破られたフロントガラスの先には、座席の一部が飛び出していた。

 事故から2時間後、現場を通りかかった男性が、その様子を撮影していた。

 目の前の惨状に言葉も出ない撮影者。

 横たわったバスの前方に救急隊が集まり、残された人を捜索していた。

 軽井沢病院の中村二郎医師は「外傷はたいしたことないのに、大事な臓器がやられている。瞬間的な力が、体にかかったような経過だと思う」と話した。

 死者の多くが、即死に近い状態だったと話した医師。

 この事故では、当時ハンドルを握っていた土屋 広さん(65)と、もう1人の運転要員・勝原恵造さん(57)も死亡した。

 勝原さんの妻は、FNNの取材に「(勝原さんはどちらに?)わかりません。(会社から話は?)ちょっと動揺してて、わからないんですけど」と話した。

 事故を起こしたバスの運行会社「イーエスピー」の担当者は、15日の会見で、運転手は出発前にアルコールチェックを行い、体調に問題はなかったと説明した。

 しかし、イーエスピーの山本祟人営業部長は「病歴は把握していません。(健康診断は)やってはいるけど、1番最後は、12月27日。その時、勝原が受けたかどうかはわかりません。

 土屋は、その対象から外している。まだ2週間ぐらいしか働いていないので」と話した。

 実は、このバスの運行会社は、運転手の健康状態を把握していないなどとして、13日、国から行政処分を受けたばかりだったことが明らかになっている。

 14人が犠牲となった、今回のスキーバス横転事故。なぜ、この事故は起きたのか。

 バスに乗っていた乗客たちが、その時の様子を証言した。

 右側の真ん中付近の席にいた、関東の大学に通う学生(19)は「すごくスピードが出ている感じがして。 その勢いのまま、カーブを曲がった時の遠心力は、そういう感じだった。衝撃みたいな感じがあったので。ガタガタガタっていう。

 それで、ちょっとおかしい。違うな、これって思って、ガタガタガタってなった時に、悲鳴が上がった。

 そこで、わたしの記憶はないんですけど、次に目が覚めたら、バスじゃなくて外にいて、落ち葉とか土の上に寝ていたので、『あ、外にいるんだな、自分』っていうことがわかって。それで、隣にバスがあったので、『ああ、事故が起きたんだな』という感じです」と話した。

一番後ろの右から2番目の席で事故に遭った男子大学生は「(バスの運転が危ないと感じた?)後ろだからか、ちょっと揺れが『きょう揺れが大きいな』という話はありました。『荒いんじゃない』みたいな。

 (事故当時の様子は?)事故が起きる瞬間は、ちょうどみんな寝ている時間帯で、寝ていたら、いきなり大きな衝撃が起きて、気づいた時には、バスの中が真っ暗で、状況がつかめない状態で。何とかもがいていたら、バスの外に出ていた。

 (シートベルトはつけていた?)自分はつけてなかったです。ほかの人もつけていなかったのではないか。最初の説明の時点で、『シートベルトを必ずつけてください』という文言もなかったんじゃないかと思います」と話した。

 前から6番目の一番左の席で、東京の大学に通う学生(19)は「(何がきっかけで気づいた?)車が右往左往、すごいスピードで、車内が遠心力で左右に揺れる、強い揺れを感じて。

 僕も寝ぼけたままだったんですけど、おかしいと思って。そこで頭を打って、気を失って、気づいた時には、バスが倒れた瞬間でした。

 尋常じゃないほどのカーブの曲がり方だったので、これはおかしいなと思いました。非常に悲しいですし、友だち2人が、まだどういう状況かわかっていないので、現実を受け止め切れていない。これが本当に現実なのか、よくわからない状態です」と話した。

(FNN 1月15日)